小説の中に、演劇の話として〔豆男〕の話が出てくる。

稲が十分に育たない痩せた土地に豆を育てる男の話。
最後には助けた村人からも糾弾されて殺されてしまう男の話。
慣習から抜けられない村人へ向けた男のセリフがいい。

「千年先までそうしてろ」

権力にへつらうな。求めるな。
わが道を行けばいい。
それで死ぬことになるとしても
自分を裏切りながら生きるより、ずっとましだ。

などと思ってはみたが、長いものにはまかれろ。
寄らば大樹の陰。そんな意識が浸透している
私の頭は、ちょっとやそっとじゃ変わらない。

この言葉を捨てゼリフに使うようじゃ、意味がない。
そうしてろと突き放しながらも、考えるのだ
明日のために。

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この本を書いたのは、『明日の記憶』の著者らしい。
らしいというのは、明日の記憶を読んでいないから。

最近は映画と原作がペアになって
宣伝されることが多くて、そういうマーケティングが
好きになれなくて、つい敬遠してしまうのだけれど
今度読んでみようと思っている。

シリーズもので他の登場人物のことを出してくれると

うれしいなぁ。
主人公(遠野さん)の部下である柳井くんも徳永さんも
かなり魅力的な人物なのである。

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アテネ村のメリーゴーランド。乗りたい。